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ヘルペス角膜炎について

1.ヘルペス角膜炎とは


「ヘルペス角膜炎」は、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus:HSV-1)が角膜(黒目)に感染して炎症を起こす病気です。
主にHSV-1
(口唇ヘルペスの原因ウイルス)が原因で、風邪や発熱、ストレス、紫外線などの刺激をきっかけに再活性化し、角膜に症状を起こします。

角膜は光を取り込む「目の窓」でありますが、透明性が損なわれると視力低下や混濁を残す可能性があります。
また、ヘルペス角膜炎は繰り返し再発することが特徴的で、再発のたびに角膜にダメージが蓄積し、視力障害につながる場合があります。


2. ヘルペスウイルスと帯状疱疹ウイルスの違い


ヘルペス角膜炎を引き起こす「単純ヘルペスウイルス(HSV-1)」は、同じ“ヘルペスウイルス科”に属するウイルスですが、帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus:VZV)とは別の種類です。

比較項目単純ヘルペスウイルス
(HSV-1)
帯状疱疹ウイルス
(VZV)
主な病気口唇ヘルペス・ヘルペス角膜炎水ぼうそう・帯状疱疹・帯状疱疹性角膜炎
初感染時期幼少期に多い水ぼうそうとして発症
潜伏部位三叉神経節など脊髄後根神経節・三叉神経節など
再発要因ストレス、疲労、紫外線など免疫低下、高齢、病後など
再発形式局所的・同一部位に再燃神経支配領域に沿って発疹・痛みが出現

両者ともに「神経に潜伏して再発する」という共通点がありますが、角膜炎の原因としては 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)が中心であり、帯状疱疹ウイルスによる角膜炎は「帯状疱疹性角膜炎」として区別されます。

感染性角膜炎診療ガイドライン(第2版)-日眼会誌 117巻 6号より引用

帯状疱疹の場合は特徴的な皮疹と神経痛を伴うため、まず皮膚科を受診されることが多いです。

皮膚科にて軟膏や内服を処方された場合でも、角膜病変の精査は必要となるため、その後眼科を受診してください。


3. 主な症状


ヘルペス角膜炎の症状は、感染部位の深さや広がりによって異なりますが、代表的なものは次の通りです。

 □ 目が痛い・異物感・ゴロゴロする

 □ 強いまぶしさ

 □ 充血

 □ 涙が多くなる

 □ 視界がかすむ・視力低下

初期は軽い結膜炎のように見えることもありますが、角膜上皮に「樹枝状潰瘍(じゅしじょうかいよう)」と呼ばれる特徴的な傷が現れると、ヘルペス性の可能性が高くなります。

また、ステロイド点眼を自己判断で使用すると悪化する場合があるため、必ず眼科を受診してください。


4. 原因と再発のメカニズム


単純ヘルペスウイルスは初感染後、三叉神経節という神経の根元に潜伏します。
普段は免疫によって抑えられていますが、以下のような状況で再活性化します。

 □ 発熱・風邪

 □ 強いストレスや睡眠不足

 □ 紫外線暴露

 □ 疾患や薬による免疫低下

再活性化したウイルスが神経を通って角膜へ移動し、再び炎症を起こすのです。
再発を繰り返すと角膜実質や内皮が障害され、視力が回復しにくくなることもあります。


5. 診断と検査


当院では、以下の方法でヘルペス角膜炎を診断します。

 □ 細隙灯顕微鏡検査:角膜上の傷の形や濁りを観察します。

 □ 蛍光染色検査:フルオレセインという染色液で角膜上皮の損傷を可視化します。

 □ ウイルス検査(必要時):涙液や角膜上皮からウイルスの存在を確認します。

症状や角膜の状態を総合的に判断し、他の角膜疾患(細菌性・真菌性など)との鑑別を行います。


6. 治療方法


治療の目的は、「ウイルスの増殖を抑え、角膜を保護する」ことです。

◆ 上皮型ヘルペス角膜炎(表層型)

 □ 抗ウイルス薬の点眼・軟膏(アシクロビルなど)

 □ 必要に応じて抗ウイルス薬の内服を併用

◆ 実質型・内皮型ヘルペス角膜炎(深部型)

 □ 抗ウイルス薬に加え、ステロイド点眼を慎重に併用

 □ 炎症をコントロールしながら角膜の透明性を保つ

 □ 長期にわたり経過観察が必要

治療の途中で自己判断により点眼を中止すると、再発や後遺症につながる恐れがあります。
必ず医師の指示に従って使用しましょう。


7.再発予防と日常生活の注意


ヘルペス角膜炎は再発を防ぐことがとても大切です。
以下のような生活習慣が再発予防に役立ちます。

 □ 十分な睡眠・栄養・休養をとる

 □ ストレスを溜めない

 □ 紫外線対策(UVカット眼鏡や帽子)

 □ コンタクトレンズを清潔に保ち、炎症時は使用を控える

 □ 医師の指示がない限りステロイド点眼を自己使用しない

再発を繰り返す方には、抗ウイルス薬の長期内服予防療法を行う場合もあります。


8.まとめ


ヘルペス角膜炎は、単純ヘルペスウイルスによる角膜感染症であり、再発を繰り返すことで視力に影響を及ぼすことのある疾患です。
帯状疱疹と同じ「ヘルペスウイルス科」ですが、原因ウイルスが異なるため治療法や経過も異なります。

みどりアイクリニックでは、結膜炎との鑑別からはじまり、病態に応じた最適な治療をご提供します。


再発を防ぐための生活指導や、治療後の定期的なフォローも行っています。

「目がしみる」「痛い」「治りにくい充血が続く」と感じたら、お早めの受診をおすすめします。

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みどりアイクリニック 眼科・美容皮膚科

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