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流行性角結膜炎(流行性角膜炎、はやり目)について
1.流行性角結膜炎とは
「流行性角結膜炎」は、アデノウイルスによって引き起こされる、非常に感染力の強いウイルス性の目の病気です。
目の結膜や角膜に炎症を起こし、充血・涙・まぶしさ・痛みなどの症状を伴います。
一般的には「はやり目」と呼ばれ、学校や職場などで集団感染することもあります。
また、英語ではEpidemic keratoconjunctivitis (EKC)と表記されることから、医療機関内ではEKCと呼ぶこともあります。
症状が自然に軽快することもありますが、角膜に炎症が及ぶと角膜混濁(かすみ)が後遺症として残ることがあるため、早期診断と適切な治療が大切です。
2.原因ウイルスと感染経路
主な原因はアデノウイルス8型、19型、37型などです。
このウイルスは乾燥やアルコール消毒に強く、ドアノブやタオルなどの表面でも長時間生き続けます。
感染経路:
□ 感染者の手で触れた物を介して目をこする
□ タオル・枕などの共用
□ 医療機関での器具接触(消毒不十分な場合)
潜伏期間:
□ 約5〜10日
潜伏期間が約1週間程度あるため、症状が出る前にほかの人を感染させていることもあります。身近に流行性角結膜炎と診断された方がいる場合は、ご自身も感染しているかもと考え、基本的な感染症対策を行いましょう。
3.主な症状
□ 充血
□ 涙が止まらない
□ 粘り気のあるメヤニ
□ まぶたの腫れ
□ まぶしさ(羞明)
□ 異物感、痛み
□ 視界のかすみ(角膜炎を伴う場合)
多くは片目から始まり、数日後にもう片方の目にも広がります。
角膜炎を併発した場合は、視界がぼやける・白っぽくかすむといった視覚障害が残ることがあります。
4.診断と検査
当院では、以下の検査を行います。
□ 細隙灯顕微鏡検査:結膜・角膜の炎症状態を確認
□ アデノウイルス迅速検査:涙液から感染の有無を短時間で判定
□ 必要に応じて角膜混濁の程度や視力の影響を評価
ウイルス性かどうかの判定は見た目だけでは困難なことも多いため、早期に眼科を受診し診断を受けることが重要です。
5.治療方法
アデノウイルスに対する特効薬はありません。
そのため、治療は症状を和らげ、合併症を防ぐための対症療法が中心となります。
□ 抗菌薬点眼(細菌の二次感染予防)
□ 抗炎症点眼(炎症や痛みの軽減
□ 角膜炎を伴う場合は、ステロイド点眼を短期間慎重に使用
自己判断でステロイドを使うと悪化する場合があるため、必ず医師の指導のもとで使用します。
6.感染拡大を防ぐために
流行性角結膜炎は感染力が極めて強いため、他人への感染を防ぐ行動が重要です。
□ 目を触らない
□ 手洗い・アルコール消毒を徹底
□ タオル・枕・洗面用具を共有しない
□ コンタクトレンズは使用を中止
□ 学校や職場は症状が完全に治るまで登校・出勤を控える
ウイルスは症状が落ち着いても約2週間は目から排出され続けるため、医師の許可が出るまでは外出を控えることが望ましいです。
また、流行性角結膜炎は学校保健安全法にて5類感染症に指定されており、出席停止の対象となります。
当院では流行性角結膜炎疑いの患者様が来院された場合は、他の患者様との接触をなるべく避け、準隔離対応となります。感染拡大防止の観点より、皆様のご理解とご協力をお願い致します。
7.後遺症:角膜混濁(角膜のかすみ)について
流行性角結膜炎が治ったあと、角膜に白い濁り(角膜混濁)が残ることがあります。
これは、角膜の奥にウイルスに対する免疫反応が起き、炎症が長引くことで発生します。
◆ 主な症状
□ 視界が白くかすむ
□ 光がまぶしく感じる(グレア)
□ 見え方のコントラストが低下
これらの症状は「ウイルスが治ったのに視界がすっきりしない」と感じる原因です。
◆ 治療と経過
角膜混濁は多くの場合、数週間〜数か月かけて徐々に軽快します。
炎症が強い場合には、ステロイド点眼薬を少量ずつ長期間使用して濁りを抑えます。
再発や長期化を防ぐため、医師の指示に従って定期的な診察を受けることが大切です。
8.まとめ
流行性角結膜炎は「はやり目」として知られるウイルス性結膜炎で、感染力が非常に強く、角膜混濁という後遺症を残すことがあります。
早期の受診・適切な治療・感染予防が重症化を防ぐ鍵です。
みどりアイクリニックでは、迅速検査による早期診断と、症状に応じた治療・生活指導を行っています。
充血や涙、かすみが続く場合は、無理せず早めにご相談ください。
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