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アレルギー性結膜炎 症状、原因、治療について
今回はアレルギー性結膜炎を特集し、アレルギー性結膜炎診療ガイドライン(第3版)を元にアレルギー性結膜炎の「症状」「原因」「治療」についてお話していきます。

季節の変わり目や花粉の時期になると目が痒い、メヤニが気になる、充血してつらいと感じる方が増えてきます。
こうした症状はアレルギー性結膜炎が原因であることが多いです。
日本人のアレルギー性結膜炎の有病率は48.7%という調査もあり、私たちにとっては馴染みの深い疾患です。
特に、かゆみやメヤニはそのままQOL(生活の質)に影響してくるため、アレルギーに対する正しい知識をもち、対策をとることが重要となってきます。
つらいアレルギー症状にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
アレルギー性結膜炎の症状
アレルギー性結膜炎は人それぞれ様々な症状を呈しますが、代表的な症状は以下の通りです。
◻︎ かゆみ(掻痒感)
◻︎ 充血(白目が赤くなる)
◻︎ 涙やメヤニが出る
◻︎ まぶたが腫れる
◻︎ 目がゴロゴロする(異物感)
◻︎ コンタクトレンズがずれる
症状はこの中でも「かゆみ」がアレルギー性結膜炎に特徴的ですが、メヤニだけ、異物感のみという方もいます。よって、主訴や症状だけでアレルギー性結膜炎を診断することはできません。
症状に加えて、正確な診断のためには出現する時期も重要で、季節によって症状が出る場合は季節性アレルギー性結膜炎(SAC)の可能性が高く、1年を通して症状が見られる場合は通年性アレルギー性結膜炎(PAC)を疑います。
さらに痛みを伴う場合は、アレルギー性結膜炎の重症型である春季カタルの可能性があり、その場合は免疫抑制薬の点眼を行うなど治療を強化します。
「毎年決まった季節に目のかゆみがある」であったり、「コンタクトレンズをすると目がゴロゴロする」、「朝起きたときのメヤニが気になる」症状などは、もしかしたらアレルギーが原因かもしれません。
そしてアレルギーは、アレルギー性結膜炎だけでなく、花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎など全身にも関与してしまうため正しく理解をし、適切な対策をとっていきましょう。

アレルギー性結膜炎の原因
アレルギー症状は、原因となる物質(アレルゲン)が粘膜に接触することでⅠ型アレルギー反応が引き起こされ、その結果炎症が惹起され生じます。
原因となるアレルゲンには様々な物質がありますが、代表的なものには「花粉」や「ハウスダスト」が挙げられます。以下に、アレルゲンとして代表的なものを挙げます。
◻︎ 花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ)
◻︎ ハウスダスト(ダニ、ホコリ)
◻︎ ペットの毛 (イヌ、ネコ)
◻︎ 小麦
◻︎ ソバ
◻︎ 甲殻類(エビ、カニ)
ここに挙げたものの他に、バナナ、リンゴ、キウイなどの果物・フルーツもアレルゲンになる可能性があります。
アレルゲンの特定において問診は非常に有用です。例えば「メロンを食べると口の周りがかゆくなる」などの症状があればラテックスアレルギーを疑うように、問診である程度は原因物質を絞ることも可能です。
しかし、通常アレルゲンの特定は問診だけでは難しく、血液検査やパッチテストを行い原因を探す必要があります。
💡アレルギー検査💡
ドロップスクリーン A-1

当院では指先からの血液1滴でアレルゲン物質がわかる、ドロップスクリーン A-1を導入しております。食物系(エビやソバ)、吸入系(ダニや花粉)の主要アレルゲンの41項目を同時に測定可能で、採取する血液は1滴で調べることができます。アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎の症状がある方は保険適応となります。費用は3割負担の方で約5,000円です。また、熊本市在住の方であればひまわりカード対象となります。

血液1滴(約20μℓ)での検査が可能であり、指先採血のためお子様や注射が苦手な方でも安心して受けていただけます。また約30分で結果が出るため、検査結果を当日お伝えすることができます。
※検査中は院内でお待ちいただくか、アミュプラザくまもと内でショッピングをお楽しみください。

アレルギー検査についてもっと知りたい方はコチラ ⇨ アレルギーのページへ

アレルギー性結膜炎の治療
-予防と生活上のセルフケア
アレルギー症状の治療・改善においては、アレルゲンを回避することが最も重要です。ドロップスクリーンなどの血液検査で、まずアレルギー症状の原因となるアレルゲンを知り、可能な限り生活の中でそのアレルゲンを除去・回避していくことが望ましいです。
ここでは、アレルゲンとして代表的なダニと花粉について、ご自身でもできる対策をお伝え致します。
ダニ対策
ダニは虫体の破片や排泄物に抗原性があります。ダニ抗原の除去のためには、ダニを殺す、ダニの増殖を抑制する、ダニとその排泄物を除去するなどの対策が必要です。常に室内を清潔にし、室温を20℃以下、湿度を50%以下に保ち、通気性をよくするように心がけましょう。
また、寝具に潜むダニの増殖を抑制する方法としては、晴れた日に行う天日干しが推奨されます。天日干しが難しい環境であれば、布団乾燥機を使用するなどしてダニが死滅することも有効です。
花粉対策
花粉はメガネやマスクの使用により花粉の暴露から結膜や鼻粘膜を保護することが可能です。ゴーグル型のメガネが推奨されますが、通常のメガネのみでも眼表面に飛び込む花粉量を減少させることができます。また花粉飛散時期には可能な限りコンタクトレンズの使用は中止しましょう。
さらに眼表面に飛入した抗原などを洗い流すためには、防腐剤フリーの点眼や人工涙液を用いた洗眼が有用です。水道水による頻回の洗眼は角膜炎や角膜上皮障害の原因となるため避けましょう。
-点眼薬によるメディカルケア
ご自身でできるセルフケアを述べましたが、一方で、生活上の工夫だけでは症状を改善することが難しいのも事実です。そういった方に対しては、以下の点眼薬を選択・処方し、症状の改善を図ります。
◻︎ ヒスタミンH1受容体拮抗薬(ex. エピナスチン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩)
マスト細胞から放出されるメディエーターの代表であるヒスタミンのH1受容体を直接ブロックすることで充血やかゆみを抑制します。
◻︎ ケミカルメディエーター遊離抑制薬(ex. ぺミロラストカリウム、トラニラスト)
マスト細胞の脱顆粒を阻害し、メディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2など)の遊離を抑制することで、、アレルギー症状を軽減します。
◻︎ ステロイド点眼 (ex. フルオロメトロン、デキサメタゾン)
ステロイド薬は炎症細胞の浸潤抑制、サイトカインなどの起炎物質の産生抑制、血管透過性抑制などにより広汎な抗炎症作用を示します。
※ステロイドの点眼薬には、眼圧上昇、感染症の誘発、白内障などの副作用があります。
※特に小児ではステロイド点眼により眼圧上昇を起こす頻度が高いため、定期的に眼圧を測定する必要があります。
◻︎ 免疫抑制点眼薬
アレルギー性結膜炎の重症型である春季カタルに対しては、現在2種類の免疫抑制点眼薬(シクロスポリン、タクロリムス水和物)が治療薬として認可されています。当院では、タリムスの院内処方が可能です。

アレルギー性結膜炎のまとめ
アレルギー結膜炎は日本人の約40%以上の方が罹患している身近な疾患です。
かゆみなどのつらい症状を放っておくと慢性化し、角膜炎などに波及する可能性があります。
点眼薬や生活習慣を意識することで症状が軽減することもあります。当院では、ドロップスクリーンを用いて血液1滴からアレルギー検査ができ、約30分で結果をお伝えすることができます。
その日のうちに結果説明できるため検査結果を聞くために何度も病院へ行く必要がなく、検査待ちの時間もアミュプラザくまもと内でお過ごし頂けます。
かゆみ、メヤニなどのアレルギー性結膜炎や春季カタルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
ドロップスクリーンのご予約はコチラから! ⇨ アレルギー検査を予約する

熊本市西区春日3-15-26 アミュプラザ熊本 5F
みどりアイクリニック 眼科・美容皮膚科
TEL 096-374-6666